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第九話 白の国での暮らし

last update Last Updated: 2025-02-19 04:59:56
白の国からの便りと黒の王女テインタルの来訪

エリンシア姫の部屋には、彼女が奏でられる羽琴が置かれ

彼女の為に白の国の食べ物や遠い国の珍しい美味しい食事がふるまわれる事も多く歓迎

そして、事あるごとに、黒の王妃アリアンが訪ねてきた。

時折、赤ん坊や娘である幼いテインタル王女を伴う事もしばしばだった・・。

他にも王の側近のタルベリィなども白の国の話を聞きに来る

アリアン王妃

この極上の美貌の王妃は、エリンシアには優しく、よく話をしては、その会話を楽しく

また・・

エリンシアは、王妃や王女の為に羽琴を奏でた。

庭には、花が咲き乱れ、木々には小鳥がさえずる

小さな噴水が心地よい水音をさせている

白の国からは、よくエイルやリアン、エイルの父 義兄からの便りやささやかな贈り物が届けられた

懐かしさに、それらの便りを胸に握りしめる

リアンや義兄の手紙には

エリンシアの日常の心配とエイル、エルトニアの事

黒の王子・・

エリンシアと交換に白の国の人質となった黒の王子アーシュランが

義兄が世話係を引き受ける事などが書かれていた

またリアンが軍事学校に入る事になった事も

エイルの便りの手紙には 黒の王子アーシュランの事が

事細かに記述されていたのだった。

どうやら、エイルエルトニアはアーシュランの事を大変好きであるらしく

彼は 無表情でよくムスッとしてるが

得意の火の魔法でちょっとした料理やお菓子を作ってくれたり

エイルがつまずいてこけたら慌てて駆け寄ってくれるし

チエスの相手や黒の国の言葉を教えたりしてるらしい

王子アーシュランの方は

白の国の言葉や文字は習得済みで 特に何も教えてあげられる事はないという

本当に無口で あまり自分からは話をしてくれなかったりするとも・・

それから

リアンの事にもよく触れていた

リアンがエリンシアがあげた小さな竪琴を待って

アーシュランと三人で

近くの森にピクニックにいた時にその竪琴で演奏をしてくれたり

部屋で 眠れないときには その竪琴で子守唄などを歌と一緒に演奏してくれると

よく眠れると・・

ただ…

今度 遠くの軍事学校に入るので まったに会えなくなるから

寂しいとも

エイルと義兄からの便りの中で 1つ気になる手紙があった

何でも 何者かが 義兄の城に侵入して 黒の王子アーシュランを襲撃したという・・

エイルも傍にいて 王子のケガよりは軽か
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  • 羽琴の姫君…羽琴をつま弾く哀しき姫の願いと流転する悲劇の果て2   第33話 暖炉の火の傍

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